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タイムス住宅新聞 2013年6月14日号 第2回

タイムス住宅新聞 2013年6月14日号

大題、「家作りの前に」の3回連載。

今回、与えられた小題は

「設計とは?」でした。

(以下転載です。)

いざ、家の設計が始まります。

まず、何から取り掛かるでしょうか?

建築雑誌を眺め、お洒落な写真をホーと眺めたり、

オープンハウスやショールームに足を運び、ふむふむと納得したりしながら、

自分たちの未来の家を想像し、心ときめかします。

大切なことですが、家の設計の具体的なヒントたちは、

今、自分たちが住んでいる家の中に、静かに微笑んでいます。

前回、「原風景としての家」と題して、なにげない暮らしの風景の美しさについて書きました。

それは、生活賛歌です。

私共の事務所では、家のプランニングをする際、

住まい手にアンケートを書いて頂いています。

「何時に起きますか?」「今の家の嫌いな場所は?」「子供の頃の家の間取りを書いてください。」など、

生活のディテールについて詳しく聞ききます。

なぜなら、私が住み手の人となりをよく理解してプランニングしたいという考えもありますが、

一番の目的は、アンケートを記入することで、

無自覚で惰性の強い習慣から、放りっぱなしの違和感や、忘れてしまった大切な時間を、

救い出すこと、意識することです。

その意味において、住み手にとって家の設計とは、

「自分たちの暮らしを見つめ直す時間」であればと願っています。

「どんな家にしたいか」という物の話ではなく、

「どんな暮らしをしていたか、したいか」という物語について、

伝えていただけたなら、

あとは建築家がそれらを空間へと繕うのです。

家は試着して、着心地を確かめてから買うことはできません。

まだ見ぬ自分の家をゼロから、つくりあげて行く過程は消費活動でなく、

まぎれもなく、創作活動です。

それは、天から降ってくるものではなく、自らの暮らしから込み上げてくる必然性です。

アンケートに目を通させて頂く度に、それぞれの生活の豊かさに驚き、感心します。

暮らしの数だけの家の種類があるのです。

寄稿した文章はここまでだったのですが、

いわゆる美しい言葉を並べてしまって、後味の悪さを覚えてしまうのは、

「生活賛歌」といいながら、3ヶ月前に妻から頼まれた、

ちょっとした大工仕事をやらないままの自分であったり、

「創造活動」といいながら、

実際は、いざ何かを作ろうとすると、行ったり来たりで、なかなか進まないのよね。とほほ、、、

というような部分も含めて、書きたかったのですが、

書ききれてないのは、文字数のせいにしようとしましたが、

私の文章力不足です。

次回、最終回は「建築家とは?」です。

7月の第2週に掲載予定です。