建築の意思


二〇〇五年五月、大工道具と
少しの着替えを持って
住むところも決めないまま
沖縄の玉城にやってきました
友達の家をつくるためです


何年も放置されたままの敷地を
草を掻き分けながら上がると
蔓に覆われたガジュマルと
人が来るのを拒むようにして
大きな岩がありました
その圧倒的な光景と
何も知らないこの場所で
一人家をつくりにきた自分との
埋めようもない距離に対して
ただ、ただ、唖然とするだけでした


呼吸に意識し
その場所にある全体を
身体で感じました
観察者であることに努力して
もう一度 設計をはじめたのです


柔らかな目で見てみると
この場所と
ここに出会ってしまった人との間に
ひっそりと佇む
建築の意思を垣間見るのです